日本総合病院精神医学会

概要


日本総合病院精神医学会は、 1988年に第1回総会が東京で開かれて以
来12年の歴史をもつ、精神医学の専門領域の学会です。総合病院に
勤務するか、あるいは総合病院の精神医学に関心を持つ医師および医療
従事者によって構成されており、登録会員数は黒澤尚理事長(日本医科
大学)以下1092名です。(1999.9)


1999年佐賀


歴史

1988年以前



日本総合病院精神医学会の設立母体となったのは General Hospital Psychiatry 研究会です。この研究会は関東地区を中心に1984年から年2回ずつ現在でも開催されています。毎回20〜30名の参加があり、会の主旨は通常の学会にみられるような整ったデータではなく辻褄があわなくても本音で話し合おうという点が多くの出席者の共感をよんでいました。

1987年頃から、会員のなかからこのような主旨の会が全国組織でできないものだろうか声があがりました。そこで、この会の中心メンバーが関西、九州の精神科医に呼びかけ、1987年夏には関西で、秋には東京で設立準備会を開き、関西労災病院院長(当時)金子仁郎先生に理事長になっていただき、第1回総会会長を北里大学精神科の三浦貞則先生にお願いしようという方針が決まりました。

1988年11月10日に持田ルークホールで第1回総会を開催したところ、100名集まれば上出来だろうと考えていた主催者の予想を大幅に上回る約160人の参加者がありました。


1988年以降


※ 開催地・会長・基本テーマ(第4回以降)

第1回 東京 北里大学医学部精神科 三浦貞則 教授
第2回 京都 京都府立医科大学精神医学教室 中嶋照夫 教授
第3回 東京 帝京大学精神神経科教室 風祭元 教授
第4回 福岡 福岡大学医学部精神医学教室 西園昌久 教授
       「総合病院精神医学の理念と技術の確立」
第5回 東京 日本医科大学精神医学教室 遠藤俊吉 教授
        「高齢化社会と総合病院精神医学」
第6回 浜松 浜松医科大学精神医学教室 大原健士郎 教授
         「慢性身体疾患の精神医学的問題」
第7回 盛岡 岩手医科大学神経精神科学教室 三田俊夫 教授
          「医薬原性精神障害の予防と治療」
第8回 広島 広島大学医学部神経精神医学教室 山脇成人 教授
          「総合病院精神医学ーー進むべき道」
第9回 東京 日本大学医学部精神神経科学教室 小島卓也 教授
           「総合病院精神医学の進歩」
第10回 金沢 金沢大学医学部神経精神医学教室 越野好文 教授
            「総合病院精神医学への期待と実践」
第11回 東京 昭和大学医学部精神医学教室 上島国利 教授
             「総合病院精神医学会、過去10年と未来」
第12回 佐賀 佐賀医科大学医学部精神医学教室教授 武市昌士 教授
              「プライマリ・ケアと総合病院精神医学の接点」

※ 講演

第1回 会長講演
    三浦貞則(北里大学医学部精神科)
   :北里大学におけるリエゾン精神医学の経験から
     特別講演
    金子仁郎(関西労災病院)
   :総合病院における精神医療の過去と現在
第2回 教育講演  
    加藤伸勝(東京都立松沢病院)
   :リエゾン精神医学の我が国への導入
第3回 特別講演
    Don R.Lipsitt,M.D.(Harvard Medical School at Mount Auburn Hospital):
      The Current Status of General Hospital Psychiatry in the USA: Problems 
      and Prospects.
第4回 会長講演
    西園昌久(福岡大学医学部精神医学教室)
   :リエゾン精神科医の条件
    特別講演
    大谷藤郎(財団法人藤楓協会)
   :精神科医への期待
第5回 会長講演
    遠藤俊吉(日本医科大学精神医学)
   :高齢者のうつ病ーこの10年の比較
    招待講演
    James J.Strain (The Mount Sinai Hospital): Cost Offset Effects of a 
      Psychiatric Liaison Intervention with Elderly Hip Fracture Patients.
    教育講演
    黒澤尚(日本医科大学精神医学)
   :日本医科大学における救急リエゾンサービスについて
    中島紀恵子(日本社会事業大学)
   :高齢者の特性
第6回 特別講演
    Thomas N.Wise (Professor and Vice Chairman,Department of Georgetown
      university Medical Center): Anxiety,Insomnia and Suicide in the General 
      Hospital Patient.
第7回 特別講演
    Roger G.Kathol,M.D.(Professor of Psychiatry and Internal Medichine,The 
      University of Iowa): Anxiety and Depression in the Medically Ill.
第8回 教育講演
    1.  Holland JC,M.D.(Psychiatry,Memorial Solan Kettering Cancer Center):
       Psychiatry and Oncology: Buikding the Bridge.
    2.  Massic MJ,M.D.(Psychiatry, Memorial Solan Kettering Cancer Center):
        Brest Cancer: A Psychological Perspective.
    3.  Fawzy  FI,M.D.(Psychiatry,UCLA): Psychiatric Intervention for 
        Cancer Patients.
     特別講演     
     吉田哲彦(厚生省保健医療局 精神保健課長)
   :精神保健行政が期待する総合病院精神医学
第9回 教育講演
    1. Medical Psychiatry の概念と実践:S. McDaniel, M.D. (Emory 
        University )
        2.  非定型うつ病の概念と治療:F.M.Quitkin, M.D. (New York State 
         Psychiatric Institute)
第10回 特別講演: 笠原 嘉(藤田保健衛生大学医学部精神医学)
    総合病院外来での小精神療法ー薬物療法を補完する精神療法ー
        市民フォーラム:やさしい精神医学
第11回 記念講演:黒澤尚 (日本医科大学)
        日本総合病院精神医学会ーこの10年の歩みー

        会長講演:上島国利 (昭和大学)
        うつ病の診断と治療

         
        特別講演1
        総合病院精神科と医療政策:池上直己、山内慶太 (慶應義塾大学・医療政策管理学)
        指定討論ー1:総合病院精神科における医療経済的な問題点
                      佐藤茂樹(成田赤十字病院)
        指定討論ー2:総合病院精神科における医療政策とはなにか
                      金子晃一(新潟県立小出病院)

        特別講演2
        総合診療の現況とこれからー精神科医療との接点:福井次矢(京都大学医学部)

        教育講演1:精神科医に必要な薬物相互作用の基礎知識
                    安原 一(昭和大学医学部第二薬理学)

        教育講演2:精神科の遺伝相談
                    1:遺伝カウンセリングの基礎ーー
                                             福嶋義光(信州大学医学部衛生学教室)
                    2:精神科遺伝相談の進め方と問題点
                                             米田博(大阪医科大学神経精神医学教室)
        
※ シンポジウム


第1回 (1)救急医療における精神科医の役割
   (2)総合病院における精神医療の現状と将来     
第2回 精神科救急について
第3回 せん妄の治療
第4回 総合病院精神医学とは何かーその役割と期待ー
第5回 精神医療ネットワークにおける総合病院精神科の役割ー合併症患者を抱えた問題点
第6回 慢性疾患の精神医学
     精神科救急の現状と問題点
第7回 医薬原性精神障害の予防と治療
第8回 日本の総合病院精神医学ー進むべき道
     1 総合病院精神医学の将来展望
     2 医療経済からみた総合病院精神医学
第9回 治療法のガイドラインを求めて
第10回 総合病院精神科の入院治療をめぐって
第11回 身体合併症医療の現況と総合病院精神科への期待


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